sohramame’s 「吉備の古代を想う」吉備氏・尾張氏

岡山(吉備)の古代史についてですが、上古代日本史全般についても書いてます

イワレヒコ-神武東征 第4部「決戦~即位~完」

東征完了後は、イワレヒコ王国=初期大和王国の物語に移っていきます。

#イワレヒコ 61
丘の上で剣をかざすと何が起きる?
イワレヒコは怪訝に思ったが
ゆっくり考えてる暇はない
もう運を天に任す!
と腹をくくり、自軍が左展開するのを見ながら
周りから良く見える丘に上がった
すると右の方(敵左翼)にウマシマチの一隊が
じっと様子をうかがってるのが見えた
そうか!

#イワレヒコ 62
左翼でじっと様子を伺っていたウマシマチ
突破口を開けないイワレヒコ軍を見て
寝返らなくて良かったかな
と結論を出そうかと思ってた矢先
不意に丘の上に光るものを見た
イワレヒコが白く光る剣をかざし
周りを鏡で囲んだ光のヴェールを見た
ウマシマチは神を見た!と思った

#イワレヒコ 63
吾はこの人に附いて行く
直感的に思ったウマシマチ
理由はない、ただそう思った
そしてミマツヒコの部隊に突進していった
イワレヒコの右の方から左動く
ウマシマチの部隊を見て
イワレヒコは確信した、勝てる!
一時もしないうちにミマツヒコは捕えられ
イワレヒコの前に差し出された

#イワレヒコ 64
ミマツヒコ(長脛彦)は
キッとイワレヒコをそしてウマシマチを
睨んでウマシマチに言った
叔父の吾をなぜ裏切る!
お前は何がしたいのだ!
父・ニギハヤヒに申し訳ないと思わんのか!
ウマシマチは
すみません
父と同じ天孫のこの人が
中洲に王国を建てる未来を夢見たのです
と応えた

#イワレヒコ 65
ウマシマチの懇願で
ミマツヒコは中洲を追放されることになった
呪詛の言葉を吐き何処かへ去るミマツヒコを見ながら
イワレヒコはこの旅の終わりを感じた
完了して王国建設を始める為には
まだまだすべきことがあるが
伊都の故郷を
兄イズセを思いながら
吾は成し遂げましたよ
と呟いた

#イワレヒコ 66
イワレヒコ!感慨に浸るのはまだ早いっすよ
珍彦、タグリヒコ、ニウヒコ、エヒコ、オトウカシ、オトシキ
が周りを囲んでイワレヒコに言った
そうだな、まだ押さえなければいけない
邑や一族があちこちにいる
中洲統一のためにもうひと頑張りだ!
少し離れてウマシマチも頷いていた

#イワレヒコ 67
イワレヒコ王と親衛隊たちは
奈良盆地にあった大和湖に沿って
南から西・北・東と順に
素直に従わない邑・一族を平らげていった
そして最初の南の地
土を採取して神捧げる器を焼いた天香久山が良く見え
後に畝傍山の守りのある白橿原に
王の館を建てた
イワレヒコ26歳の年だった

#イワレヒコ 68
オトシキの又名を黒速(クロハヤ)と言う
黒速はミマツヒコ(長脛彦)との決戦に
勝利してから考えていた
兄・エシキと生き残った方が磯城の家系を継いでいこう
と二人で決めたこと
生き残った自分が継いでいくためには…
イワレヒコと共に子孫を繁栄させる
それがベストな方法だ、と

#イワレヒコ 69
黒速(オトシキ)はイワレヒコに言う
国を構え宮を構え次はお妃さまですね
吾が王に相応しい美女を連れて参ります
するとイワレヒコは
いや、元の国に嫁と息子がいるんだ
ここに呼ぼうかと思ってる
側女で良いなら見たいが…
と予想もしてなかったことを言った
これはヤバい、と黒速

#イワレヒコ 70
結局イワレヒコの故地に居た嫁は来ない
息子タギシミミ、キスミミは来る結果になり
黒速の構想は崩れながらも
将来に一縷の望みをつないだ
とりあえず吾が家の女子を妃にして
息子を設ければ
その先はどう転ぶか分からない
何とかなる!と
黒速の妹をイワレヒコに紹介する事にした

#イワレヒコ 71
黒速の妹はイスズ媛
美人ではないが人見知りせず
可愛がられるタイプ
イワレヒコのどストライクかは不明も
気に入った様子で間髪おかず妃にすると表明
白樫原の宮が完成し息子タギシミミも到着したので
王の即位式とイスズ正妃(皇后)との祝言を挙げた
イワレヒコの夢見た瞬間だった

#イワレヒコ 72
奈良盆地の南半を支配地として
王に就いたイワレヒコ
九州・伊都国から息子のタギシミミを迎え
彼を自分の後継に据えるつもり
と周りから聞いた黒速は
これはいかん!
と焦った
イワレヒコに嫁がせた妹のイスズ姫に
1日も早く男子を産みなさい
と言った
イスズ姫は微笑みながら頷いた

#イワレヒコ 73
かと言って
イスズ姫からイワレヒコにアピールはせず
いつも宮の中で明るく微笑んで
楽しく過ごしていた
それが逆にイワレヒコの恋心を刺激した
イスズ姫を寵愛した
数年のうちに3人の子が出来た
3人ともすくすく成長した
しかしタギシミミを後継とするイワレヒコの心は変わらなかった

#イワレヒコ 74
イスズ姫はヤヌイ、ヌカワの2人の男の子と
1人の女の子を産み育てた
ヤヌイは不思議とタギシミミになつき
タギシ兄と呼んで仲良くしていた
母イスズ姫は自然と弟のヌカワを可愛がり
貴方はタギシミミより偉いのよ
成人したら貴方が王になるのよ
と夫の意に反した帝王教育を施した

#イワレヒコ 75
そんな妃・イスズ姫や後ろ盾の磯城一族・黒速の
黒い野望など露知らず
畝傍山の麓の宮を
天孫族のルーツである邪馬台国のある
山本の地名を拝借して山本の宮
治める国を山本の国と呼んで治めた
これが後にヤマト王国と呼ばれる
またイスズ姫の妹のイスズヨリ姫も妃として迎えた

#イワレヒコ 76
イワレヒコは山本の国を得て
それで十分に満足し
国を広げること無く
しかし建国の功臣たちの協力の元
国をしっかりと治め
26才で王位についてから20年程王の務めを果たし
46才の時天寿を全うして
息子のタギシミミに位を譲った
イワレヒコは伊都国王家の血統が
永続すると思っていた

引き続きヌ(ナ)カワミミ(綏靖天皇)物語になります(続く)