イワレヒコ-神武東征 第2部「紀ノ川遡上-宇陀 建国の士集う」

イズセ(五瀬命)の死後、イワレヒコ一行は紀の川河口から遡上し、吉野~宇陀へのルートを進みます。

#イワレヒコ 21
名草邑のナグサヒメは静かに現れたイワレヒコ一行を追い払うべく
一斉に弓を射かけてきた
イワレヒコは最初から
矢を受ける囮隊と敵の背後に回る別動隊に分け
ナグサヒメ達を挟撃しこれに勝利した
ヒメは自決したが部下の女性兵士は
先々役に立つと考え自軍の兵士とした

#イワレヒコ 22
名草邑からあまり離れてない
紀伊水道紀の川が見渡せる小高い丘に
兄イズセを葬った
窯山というところ
ここから紀の川を遡上して
吉野から神の住む大地へと入り込む
名草女兵に聞くと途中に丹が沢山取れる邑があるそうだ
兄に別れを告げてイワレヒコは出立した

#イワレヒコ 23
河を遡上するため珍彦の指示で海舟を改造や
河船を新た入手し終え出発しようとした直前
眼に黥を施した体格の良い男が現れ
帰順と道案内役を申し出ました
名草邑の近くに住み、イワレヒコ軍の話を聞いて現れたようです
イワレヒコは彼を「サケトメ」(道臣命)と名付けました

#イワレヒコ 24
サケトメ(道臣)の案内で紀の川をゆっくりと遡るが
イワレヒコは丹の事が気になって彼に問うた
この先、狭野(かつらぎ町)の奥に
隈野(くまの)という地があって
そこでニウヒメの一族が丹を造ってるとのこと
イワレヒコはイズセのために入手したいと考え
そこに向かうことにした

#イワレヒコ 25
イワレヒコは丹に不老不死の力があるので
もしかしたら兄も蘇らせられるかもと淡く期待していた
だから隈野に寄り道しようと思った
サケトメは自分の庭のようにスイスイ進んでいく
イワレヒコはそれに附いて行く
珍彦は慣れない土地であるのと
行く手に不安を感じてゆっくり附いて行く

#イワレヒコ 26
隈野の森では何かを燃やしてる灯がついてて
不気味に明るい
いつの間にかサケトメの姿が消え
何か大きな影がユラユラしてる
そして急に周りの者が咳き込んだり、ふらついたり
何かおかしいぞ?!
イワレヒコは直感的に丹が煮えて毒を発してる
と感づいて布を口に当て姿勢を低くした

#イワレヒコ 27
ユラユラする影がいきなり大きくなってイワレヒコに突進してきた
寸前でかわしてじっと見るとそれはサケトメだった
ナグサヒメの弔いじゃ、貴様にはここで潰えてもらう!
と斬りかかってきた
が、そこに割って入ってきた者がいた
それを見て
タグリヒコ!待ってたぞ!
珍彦が叫んだ

#イワレヒコ 28
タグリヒコと呼ばれた石川五右衛門風の男は
サケトメの剣を払いのけその喉元に自身の剣を突き付けた
サケトメも大柄で力はあったが一瞬で勝負がついた
イワレヒコは言った
名草邑を蹂躙したのは、吾の望みを果たすため
すまなかったが、これからは吾のために生きてくれぬか?

#イワレヒコ 29
サケトメは観念して身を投げ出したが
イワレヒコは殺そうとはしない
仕方なくサケトメは悲しそうに消えて行った
珍彦はイワレヒコに
タグリはわしの従弟です
必ずイワレヒコの力になれると思い
わしらに同行するように頼みました
いやぁタイミングよく現れてくれて助かった
と言った

#イワレヒコ 30
タグリ(高倉下)はイワレヒコにひと言
ウッス
と挨拶した
愛想ないなーと思いながらも
立派な剣を持ち、剣豪の風貌した彼を頼もしく思った
ニウヒメはナグサヒメと同一人物で
ここもテリトリーにしてたらしい
後日、丹をもらい受ける約をして
隈野を後にした
目指すは中洲(大和)

#イワレヒコ 31
伊都国を出たときは20人程だった一行も
今は100人を優に超える軍団になっていた
そんな大勢でワイワイ河を遡るから自然と注目を浴びる
そして邑からあぶれた者達がさらに仲間に加わる
鳥の羽を形どった帽子をかぶったエヒコ(八咫烏)も
そんな1人だった
こっから先はオラが案内するさ

#イワレヒコ 32
吉野川の流れになってからエヒコ(八咫烏)の案内で
さらに河を登る
そしてエヒコが先頭に立って歩くと
どんどん共に歩む人が増えてくる
ニェモ、イヒカ、イワオ
みんな河で生活する、エヒコの友達だった
イワレヒコは大所帯になっていくのを
前途洋々の兆しと思って楽しんでいた

#イワレヒコ 33
エヒコがイワレヒコに言った
ちょっとあの高い"岳さん"に登りましょうや
頂上に着くと北西に中洲(大和盆地)が広がっていた
ここが兄の求めた理想郷かぁ
イワレヒコは涙ぐみ、そして奮い立った
エヒコは
ちょっと遠回りだけど少し東に進んで
仲間をもう少し集めましょう
と言った

#イワレヒコ 34
一行は吉野川から高見川を遡り、宇陀に向かった
エヒコは
宇陀にウカシ兄弟という、あっしの親せきがいるんでさぁ
そいつらに加勢を頼みましょう
中州に入るまでも、入ってからも
争わなけりゃいけない敵は沢山っす
ちょっとあっしは先に行って話付けてきまっさ
と言い風のように消えた

#イワレヒコ 35
半日ほどしてエヒコが戻ってきた
ウカシの弟は一つ返事で承諾!だったけど
兄の方はしぶしぶ、まぁいいよって感じでさぁ
とにかく行って挨拶しましょうや
と言うので
イワレヒコ一行は、少し不安に感じながらも
川に舟を留めて
山に挟まれた街道を北上した
珍彦は周囲を警戒していた

#イワレヒコ 36
崖の上の方で悲鳴がして大きな岩と人が降ってきた
イワレヒコ一行は全員無事避けきれた
エヒコはすかさず言う
こいつエウカシじゃねーか?なんで落ちてきて死んでんだ?
その後崖をゆっくり大きな男が降りてくる
丹生邑で消えたサケトメだった
イワレヒコを見て驚いた顔をしてる

#イワレヒコ 37
イワレヒコは経緯を聞いた
サケトメは
丹の取れる石を探してたら岩を落とそうと潜んでる男を見つけて
何やら悪い事が起こる予感がしたので
さらに上から私が岩を落としてやったんです
男は岩と共に落ちましたが
その下にイワレヒコがおられるとは
イワレヒコはサケトメに感謝しました

#イワレヒコ 38
やはり私の仲間に加わり
私の夢を手伝ってくれないか?
イワレヒコはサケトメを再び誘った
イワレヒコに再会しこうしてお救い出来たのは
縁かもしれません
国造りのお手伝いさせて下さい
サケトメはこう応え、新たな呼び名をいただいた
ニヒコ(丹彦)と
名草の戦士の隊長となった

#イワレヒコ 39
意気揚々とイワレヒコは一行と共に宇陀に到着
オトウカシ(ウカシの弟)は邑の入り口で頭を伏して待っていた
恭順を誓ったのに
兄がバカなことをして
お許しください
全員を招いて恭順の宴を開き
中洲連合についての情報をお伝えします
さぁどうぞお入りください
珍彦も宴と聞き喜んだ

#イワレヒコ 40
宴は大盛り上がり
鴫だ!鯨だ!と大騒ぎ
が、オトウカシが話始めると急に静かになった
この先中洲に進めば
あちこちの高台で兵士が待ち構えてます
イワレヒコ一行も強そうですが
中洲連合は人数で優ってます
イワレヒコは応えた
吾達は一度負けた
だからこそ負ける訳にはいかない、と

(第3部に続く)