イワレヒコ-神武東征 第1部「船出-手痛い敗退」

Twitterで呟いてるイワレヒコの物語風東征説話をこちらに転載します。

#イワレヒコ①
20歳を過ぎたばかりのイワレヒコは伊都から玄界灘を見渡しながら
この国では王にはなれないので東に新天地を求めに出立する
兄のイズセノミコトに向かって言った
「兄ちゃんについてく、んで兄ちゃんが東の王になれるように
吾は陰から支えるよ!ここが出発地だね」
兄は静かに頷いた

#イワレヒコ②
伊都から数日で岡水門(洞海湾)に着いた一行
ここで食料や武器を調達していたが、次兄のイナヒノミコトが突然言った
「やっぱワシはイズセ兄とは別行動で身を起こしてみるわ
とりあえず先祖が来た北方向、新羅あたりにでも行こうかな」
イワレヒコはイナヒの突然の発言にポカンであった

#イワレヒコ③
兄イズセ&配下の者達と共に岡水門を起ったイワレヒコ
関門海峡を抜けると偶然に宇佐津彦・媛に出会い彼らの島に招かれた
柱1本で壁の無い宴会場で歓待を受けたが一行は先を急ぎたかった
宇佐津彦は「まぁ焦りなさんな、わしの子分たちに瀬戸を案内をさせよう、役に立つよ」と嬉しい提案

#イワレヒコ④
宇佐で瀬戸の案内役を借りて一行は瀬戸の北側を進み阿岐に着いた
ここに人はいたがあまり多くなかった
イズセは「眺めがええのー、こりゃ気持ちが滾るわ、やけどここは伊都からまだ近い、も少し東に行きたか」と言った
イワレヒコは(ここでもいいんじゃない?)と思ったが黙っていた

#イワレヒコ⑤
一行は後に児島と呼ばれる島の北側に着き上陸しようとしたが、人が多い
伊都も多かったが同じくらいいる
もし争いになったら吾たちは勝てるだろうか?
今のイワレヒコ達では勝てる自信が無かったのでそこでの上陸を諦め
島の南側に回ってひっそり上陸した
ここは大丈夫そうだ

#イワレヒコ⑥
イワレヒコ一行は高島(後の児島)の南側で
北に広がる平地にいる民衆たちの偵察
自分たちと共に戦える人員の増強(近隣の島から戦闘員集め)
武器の増強をするためじっくりとここに留まった
イワレヒコはこの地にあまり魅力を感じてなかったが
次への飛躍のためと我慢の日々

#イワレヒコ⑦
一行は十分な戦闘員を集められたので、高島の北側の平野に進攻し
これを平らげることが出来た
ただイズセもイワレヒコもこの地に留まる気持ちはなく
増えた一行の食糧・武器をこの地で十分に確保できたので
さらに東へと進んだ
しかしこの高島で1年ほど時間が過ぎてしまった

#イワレヒコ⑧
高島を出て、イワレヒコはイズセから囁かれた
瀬戸を日縦に渡れば東陸に突き当たる
その山を越えれば金(鉱脈)や朱(水銀)がたんまりあって
そこで王国を築けるんだ
だから吾はさらに東に向かおうと思う、と
イワレヒコは朱が不死の力を持つと信じており
永遠の命を手にできると喜んだ

#イワレヒコ⑨
一行が明石海峡が見えるあたりまで来た時一艘の船が近づく
おまえさんがたー大勢でどこ行きなさるねー?
イズセが応える
吾達は海峡渡って東に上陸するが?
えー?大勢で海峡入ってったらここの主に止められ皆捕まるちゃー
と、珍彦という漁師か海賊か分からないやつが大声で言った

#イワレヒコ⑩
珍彦は明石海峡を牛耳ってる親玉だった
イワレヒコ達が凡人であれば略奪してやろう、と思ってたが
何か大きなことをやってくれそうな魅力の兄弟だった
だから珍彦は難波の岬まで案内を買って出た
ワシたちが付いてりゃ百人力でさぁー
イワレヒコも珍彦の気さくさを気に入ったようだ

#イワレヒコ 11
珍彦の案内で難波の岬(大阪城公園付近)に到達した一行
入江(河内湖)から上陸すれば大勢の敵がいると思うが勝算あるんかね?
珍彦の問いにイズセは答えた
無いが、闘ってみなきゃわからんだろ?
楽々と勝てる人員は揃ってないが
この兄弟に乗っかるのも悪くないか、と珍彦は思った

#イワレヒコ 12
草香津(東大阪市日下)に上陸した一行はやや南に下って
信貴山あたりを越えて竜田に出ようとしたが思った以上に山が峻嶮で
一旦、草香に引き返すことにした
おいおい、お坊ちゃん達大丈夫かね
珍彦は思った
理想郷にたどり着くのは容易くはないかぁ
とイワレヒコは迷走を楽しんでいた

#イワレヒコ 13
信貴山から引き返し生駒越えをしようと草香津に戻った時
急に三百人くらいの軍勢が現れた
イワレヒコの軍勢は百人くらいだ、このまま戦えば劣勢すぎる
退路を塞がれたから舟に乗って逃げることもできない
こりゃヤバいわ
ずっと山向こうの国の人から監視されてたんだな
珍彦は焦った

#イワレヒコ 14
敵軍勢の長らしき者が言った
筑紫からぞろぞろと観光か?
ここは遊ぶとこじゃねぇぞ
ワシたちが平和に暮らしてんのじゃ
入江の鰐の餌にしてくれるわ!
珍彦は知ってる、ありゃ登美の長脛彦じゃねえか
こりゃ逃げるが勝ち
と後ろを向こうとしたとき、ムズと腕をつかまれた
イワレヒコに

#イワレヒコ 15
イズセと長脛彦は対峙したまま次の動きを探っている
逃げたいvs一網打尽にしたい
その緊迫の中
イワレヒコは珍彦の腕をつかんで言った
こっそり鏡と盾を沢山あそこに並べて置いて!
珍彦が言われた通りにすると
イワレヒコはササっと角度を調整し
イズセ他にここまで下がれと言った

#イワレヒコ 16
対峙した長脛彦に向かってイワレヒコは叫んだ
ほら、吾たちが怖いのかー?早く来いよw
長脛彦は煽りにぐぬぬと歯ぎしりし
皆、あやつらを捕えて鏖せ!
と命令した
そして、敵一団がある地点まで来ると
鏡や盾がキラッと光り回りが何も見えなくなった
イワレヒコはニヤリとほくそ笑んだ

#イワレヒコ 17
敵が動けなくなった隙に逃げるんだ!
イワレヒコが叫ぶと一行は舟に向かって走り出した
しかし、殿となったイワレヒコ、珍彦が動き出すころには
敵たちも反撃の弓矢を撃ち込んできた
かわそうとしたイワレヒコに意外な方向から矢が命中!
と覚悟した寸前にイズセが現れその矢を受けた

#イワレヒコ 18
イズセに刺さった矢は深く、その場で動けなくなった
兄上!ごめんなさいっ!私のために…
イワレヒコは泣きながら兄をおぶさり、珍彦が矢や追っ手を振り払う
何とか船に乗り込み沖に出られたが
兄は動かないまま
イワレヒコは自分や一行の力不足を痛感し
捲土重来を兄に誓った

#イワレヒコ 19
矢傷に倒れたイズセを連れ一行は雄水門(泉南市男里)に上陸し
手当てしたが回復することは無かった、最期に
心残りなり、吾が王国を見たかった!と力弱く叫んで絶命した
珍彦の勧めでイワレヒコは紀の川を遡上して
山向こうのユートピアを目指し
王国を建てると兄に誓った

#イワレヒコ 20
珍彦の提案で再起の決意と同中のご加護を得るため
イズセの亡骸を紀の川河口に葬ることに決め
一行は南下し河口にたどり着いた
しかしここでも見張りに発見されたことで既に軍勢が待ち構えていた
名草邑の女族長の一軍であった
兄上、しばしここでお待ちください
イワレヒコは言った

(21-へ続く)